がんこに三角 榮太樓飴
江戸の庶民には高価だった有平糖(あるへいとう)をもっと気軽に…と、創意工夫から生まれた梅ぼ志飴。まだ固まりきらない紅着色の飴を鋏で切り、指でつまんだ三角の形が梅干しに似ていると、洒落好きの江戸っ子たちが「梅ぼ志飴」と名付けました。以来、有平糖の製法技術をもとに黒飴、抹茶飴、紅茶飴と続き、平成に入り、のど飴と国産果物使用、無香料・無着色のフルーツキャンディ「果汁飴」が榮太樓飴シリーズに加わりました。江戸からの製法を受け継ぎ、これからも安心して美味しく食べて頂ける飴づくりを続けていきます。
酸っぱくない「梅ぼ志飴」
「棒状に伸ばした紅い飴を鋏で切り、その切り口を指でつまむ。」その形が皺のよった三角形になり、人々はなんとあの酸っぱい梅干しを連想し、「梅ぼ志飴」と名付け、親しんでくれました。甘いものを酸っぱいものに喩える江戸っ子らしい洒脱さを讃え、江戸の発売当初から今日に至るまで「梅ぼ志飴」の名称を貫いております。
職人による飴づくり
梅ぼ志飴は、今もなお江戸の製法を守り続けています。ザラメとさつま芋から作られた水飴を高熱の直火で加熱して飴を煮詰め、鍋からおろすタイミングは職人の目で見計らいます。そして適度な温度と硬さになった時、三角に成型しています。厳しい品質管理のもと、職人の手により、今日に至るまで江戸からの製法を守り続けています。
口にやさしい、三角のかたち
特徴的な三角形の角が丸くなっているのは、飴を断裁した際の切り口が誤って口中を傷つけない配慮とともに、飴の欠けを防ぐ工夫です。また、歯に付かずカリカリと軽やかに噛み砕けるキレのよさ、砂糖の熱分解により生じる「カラメル」を主体とした複雑な風味は、独特のコクがあり飽きません。また、幾つ舐めても口の中が荒れないのは、砂糖純度の高い証拠。化粧品の乏しい明治・大正の頃、上方の芸妓・舞妓たちが、この梅ぼ志飴を唇に塗ってから口紅をつけると口唇が荒れず紅に照りが出るからと、東京土産に請うたと言われております。
安心安全、美味しい飴づくりをこれからも
平成に入り、50年ぶりの新商品「のど飴」が加わりました。和種ハッカと、山田養蜂場の国産百花はちみつの優しい風味が溶け合うまろやかな甘さが特徴です。
そして平成25年には、無香料・無着色のフルーツキャンディ「果汁飴」が榮太樓飴シリーズに加わりました。
特殊な製法で果実を加工して使用することで、着色料や香料を使うこと無く果物が持つ本来の甘さや香り、鮮やかな色をそのまま飴に仕上げております。お子様から幅広い方々に飴を親しんで頂けるために、添加物に頼らない最上質の飴づくりをこれからも続けていきます。
※果汁飴は、2012フードアクションニッポンアワード「食品部門」優秀賞を受賞致しました。