本店限定品
東京日本橋にある榮太樓總本鋪本店でのみお取り扱いしている菓子をご紹介します。 いずれも通販などはいたしておりませんので、本店にお越しの際はケース上でご覧いただけますと幸いです。 お取り置きはできますので、お問合せは本店(03-3271-7785)まで直接お願いいたします。
甘名納糖あまななっとう
原料には、国産のだるま大角豆(ささげ)を使用。大角豆は皮が硬く、煮ても皮が破れない(腹が切れない=切腹しない)ので、江戸の目出度い豆として赤飯に使われてきましたが、菓子の原料としては向かないとほとんど省みられることがなく、値段も安かったことに目をつけ、庶民に安く美味しい菓子が作れないものかと苦心して出来たのが「甘名納糖」です。
冷蔵庫など無い当時でも日保ちがして旨いと大変評判になり、現在一般に見られる「甘納豆」の元祖となりました。
名前の由来は、以前から交友のあった文人墨客の田中平八郎氏が『遠州浜松(静岡県)名物「浜名納豆」をもじって「甘名納糖」と名付けたらどうか』と言われて決めたといわれています。
今でこそ国産大角豆は生産量がほとんどなく高価な原料ですが、榮太樓は当時の製法を忠実に守るため、国産大角豆を使用しております。
玉だれ
本山葵を原料とした世界でも珍しい菓子です。静岡県産の山葵を細かい目のおろし金でおろし、砂糖や焼味甚粉、山和芋とあわせて芯とし、外側を求肥で巻きます。白い求肥を通して透ける山葵の緑色が、目に涼感を呼び色彩的にも大変優れ、夏の茶菓子として多くの通人に評価されています。
玉だれの名は謡曲・能の中でも名曲にして難曲な「小町物」の一つ「鸚鵡小町(おうむこまち)」の一節からとられました。
年老いた小野小町を労って時の帝の陽成天皇が「雲の上は ありし昔に変らねど 見し玉簾(たまだれ)の 内やゆかしき」と詠んだところ、小町は即座に「雲の上は ありし昔に変らねど 見し玉簾の 内ぞゆかしき」と一字違えるだけで返歌を詠んだもので、玉簾の内(玉簾とはすだれの美称で、この場合は御簾の内側、即ち宮中での生活をさす)を懐かしく思う小町の思いが託されています。
菓子の香、色彩感覚、姿、形、その中に秘められた味を想い、名称を「玉だれ」としました。
楼(たかどの)
高楼の礎石をモチーフに考案された菓子、楼。外側が黄身羽二重しぐれ餡。内側にこし餡。真ん中には渋皮付きの一粒栗。黄身しぐれとこし餡がまろやかに溶け合い、それに栗の甘味が加わる。楼はそれぞれの素材が全体としてほどよく調和して一つになる、そのおいしさを楽しんでいただけるお菓子です。口当たり穏やかな味わいは手土産にも合い、また、礎石の意味から、ビジネスやお付き合いのご挨拶の品としてもお使いいただけます。
楼のエピソード
1975年10月、昭和天皇、皇后、両陛下が御訪米。 その際に弊鋪は、榮太樓ニューヨーク工場にて菓子の御調整、及び献上をいたしました。 調進された菓子の一つが、楼でした。ちなみに、榮太樓は当時ニューヨークで2店舗を展開しておりました。
「ニューヨーク髙島屋店」ニューヨーク5番街(扱い商品:上生、並生、焼菓子、別注菓子)
「髙島屋ロングアイランドカールプレイス店」ニューヨーク郊外、(扱い商品:生菓子、榮太樓飴、羊羹、缶詰)