2024/09/30その他
彌榮守主大神(やさかもりぬしのおおかみ)通称:榮太樓神社 後編
先日9月9日、神職を招き新しい社殿に御神体を移す「還御祭(かんぎょさい)」を執り行いました。9月9日は重陽の節句で、家族の無病息災や子孫繁栄、不老長寿を願い、祝いの宴を開いたことが起源とされ、まさに新しい社殿を迎えるにふさわしい日となりました。
新しい社殿はこれまでになかった本殿を雨除けから守る覆屋(おおいや)を建て、鳥居も新たに建立しました。社殿や覆屋、鳥居は奈良吉野から厳選したヒノキを用いており、香りはもちろん耐湿、耐水性にも強くとても優れた木材です。お盆明けから覆屋や鳥居の建設が始まり、吉匠建築工藝の宮大工さんたちが連日30℃を越える猛暑の中で、手際よく木材を組み上げていく姿がとても印象的でした。一本一本のパーツは釘を使わないで組み上げるわけですが、パーツ毎の採寸がキメ細かいところまで計算されており、バランスよく構造的にも申し分ない仕上げになっています。この作業は熟練しないと身につかない技術で、これが出来る職人が棟梁をしていると吉匠建築工藝広報担当の沢登さんは言います。職人さんたちはそれぞれのパーツを組み合わせて、絶妙な仕口、木組を作り上げていきます。あっという間に組み上げられた木材は数人の職人さんたちによってバランス良く設置されていきました。吉匠建築工藝さんは若手職人も多く、みなぎるパワーを感じました。
面白いお話を一つ。覆屋の左右側面にあるハート型の愛らしいマークがあります。ここれは「猪目(いのめ)」と言って日本古来から使われている図柄のようです。ハート型を逆さにすると猪(いのしし)の目に似ている事からその名が由来しています。魔除けや福を招く意味合いがあり、なんだか見ていて愛おしいなと感じた次第です。
ここから写真とともに、社殿完成までをお届けします。
雨除けから守る覆屋の木材搬入。トラックから次々と積み下ろし、組立準備が始まります。
作業は夕方には基礎部分が組み上げられ、翌日には覆屋が完成しました。
続いて鳥居の木材搬入の様子です。一本一本重い木材を手際よくおろしていきます。
細かい各パーツを順序良く組み込んでいき、あっという間に出来上がりました。
若手職人さんが丁寧に磨き仕上げをしています。
このハートマークは猪目(いのめ)と言い、魔除けは福を招く意味合いがあります。
覆屋の天面には銅板を貼り、鳥居の土台も固定され完成しました。
完成した新社殿がいよいよ納入。梱包を解いた瞬間、ヒノキの香りが印象的でした。
新社殿を四人でゆっくりと覆屋をうまく交わし、棟梁も指示を出しながら見守ります。
新社殿の完成を前に宮大工さんも満足の笑みを浮かべます。
9月9日天気にも恵まれ御神体を移す還御祭(かんぎょさい)が始まりました。
当社社員のほか、吉匠建築工藝さまからも多くの方々が参列くださりました。
滞りなく神職により新社殿の竣工式も終わりました。
新しい社殿完成に「今回はまさにご神縁で出来上がった社殿、素晴らしいことです。神様が繋いでくださるご縁は、とてつもない幸運を運んでくださいます」と神職から有難いお言葉を頂戴しました。今回施工を請け負っていただいた吉匠建築工藝のみなさまを始め、全てのご縁に感謝するとともに、彌榮神社の御神体である「食の神様」がこれから榮太樓總本鋪を見守ってくださることを願いつつ、社員全員で大切にしていきたいと思います。
広報部