2025/02/21その他
農地へのたい肥撒き 千葉県おかげさま農場
食品残渣(ざんさ)という言葉があります。工場ならば製造工程の中で発生する廃棄物。店舗であれば加工時に出る食べられない部分や売れ残って処分するもの。家庭からの日々の生ゴミなどもそうです。そういう食品残渣を安全に処分して有効活用している施設(リサイクルセンター)があり、当社でも製造で発生する廃蜜の処理についてお世話になっています。
< 流れ(工場で発生した廃蜜について) >
工場 ⇒ リサイクルセンター ⇒ 中間処理(廃棄物の減量化、安定化、無害化など。さらにメタン発酵による再資源化処理などまで) ⇒ バイオガスによる発電(電気事業者へ売電) ⇒ さらに残ったものから飼料やたい肥を製造 ⇒ たい肥は商品として農家へ
前段が長くなりましたが、ここからが本題です。本来捨てるしかない廃蜜をリサイクルしてたい肥にしてもらったわけなので、せっかくだからそのたい肥は榮太樓の社員自らの手で土に戻そうではないかということになりました。当社の場合は、それでは「おかげさま農場(千葉県成田市)」にご協力してもらいましょう、ということに。というのは、この農場には当社社員が田植えから稲刈りまで各時期に社員自分たちが手作業をしてもち米作りをしている田んぼがあるから(全仕入れ量の1%程度。その他99%は農家さんの通常作業分)。そこは一反にも満たない面積ですが、人力だけでもち米を毎年生産しています。作業ごとにメンバーは変わりますが、各参加者は全部署から集められます。機械を使わないのでまるで江戸時代の農法のよう。そんな田んぼがあるので、たい肥もやはり自分たちの手で撒こうとなった次第です。
2月7日、快晴。総勢20名超が現地に集合。当社の社員だけではなく玉川髙島屋SC様もご参加いただきました。というのは、榮太樓總本鋪が廃蜜を処分してもらっている施設を玉川髙島屋SC様もご利用されているからなのです。大きな施設なので食品街フロアからは毎日廃棄物が発生します。当社も玉川髙島屋SCには売店がありますので今回のたい肥撒き作業は一緒にやりましょうということになりました。売店ではもち米で作られる大福も販売していますので、今回のたい肥が農地に栄養を与えそこで穫れたもち米はやがてまたおいしい餅となり大福になるということです。
▲榮太樓社員らが毎年手作業でもち米を作る田んぼ。面積は一反の2/3ほど。一反は50×20m
▲たい肥が入った袋が5個。1袋にだいたい400㎏入っているので合計で2000㎏、つまり2トンです
▲残渣の袋をミニショベルで田んぼの中央まで運んでいきます。重い中身を入れているだけあって袋の材質も頑丈でした
▲袋から出した直後の臭気はかなり強烈でしたが、時間が経つとあまり気にならないくらいになっていきます
▲総勢20名超。全員がスコップを手にしてたい肥を撒きます
▲点々とした黒い塊が残渣。すくっては撒きを繰り返し、田んぼの全体に行きわたるように作業をし続けます
面積の割に人数が多かったので、残渣撒き作業はだいたい2、3時間で終わりました。ただしスコップで水分のある残渣を運んで田んぼの中を歩くので、元気のある最初にうちはいいのですが後半はそれなりに大変な作業になっていきました。それでも全身を動かす作業の良いところは終わったときの爽快感。それと大切な農地にこれでおいしい栄養を上げられたのだなあと思うと充実感もひとしおでした。やがて春の田植えの時期がきます。そのときが来るまでにこのたい肥は土に戻って養分となっていきます。力強い土になってくれるだろうことを思うととても楽しみです。今回はたい肥撒きのレポートでした。
お読みいただきありがとうございました。
広報部